習近平主席がこの1年に直接関与した活動のほぼ半分は外交であり、外交部門トップ・王毅政治局委員の動静も大きく報道されている。政権はこれらの上首尾を強調するが、4月末のブリンケン米国務長官訪中も本質的な関係改善につながるとは言い難い。華々しい報道は内政が求心力維持に窮していることの裏返しだ。だが、「習近平外交思想」が続く限り現実には外交も現状維持以外に道はなく、この求心力強化は戦法として破綻する。
習近平中国国家主席が5日から5年ぶりの訪欧中です。フランスには国賓として6~7日に滞在し、6日にはエマニュエル・マクロン仏大統領との共同声明が発表されます。このほかウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長が加わる中仏EU(欧州連合)首脳会談も予定さ ...
ぶぶ漬けはいつ出されるのだろう……。京都人の“いけず”に怯えながらも職人たちへのヒアリングを終え、「伝統工芸レッドデータブック」は完成した。これによって茶道や花街といった無形文化と、そこで使われる伝統工芸品、さらにその原材料との繋がり=ネットワークが ...
米大統領選の行方を大きく左右するZ世代が、バイデン政権への批判を強めている。「リベラルで進歩的」という表面的な説明では、アメリカ若年層の絶望の深さを捉えることはできないのではないか。関西大学客員教授の会田弘継氏と同志社大学大学院准教授の三牧聖子氏が、 ...
京都の伝統工芸品の多くは、祭りや花街といった無形の文化と切っても切れない関係にある(Shawn.ccf/Shutterstock.com)「京都=伝統文化」というイメージを持って京都の博物館を訪れた筆者は、京コマという伝… ...
国家存続を賭けて、予算半減という不可能なミッションに挑んだ「オペレーションZ」。あの挫折から5年、新たな闘いが今、始まる。防衛予算倍増と財政再建――不可避かつ矛盾する2つが両立する道はあるのか? 目前の危機に立ち向かう者たちを描くリアルタイム社会派小 ...
米中対立時代のグローバルなサプライチェーンの再編は、米国の隣国メキシコに大規模な投資を引き寄せている。しかし、ロペス・オブラドール大統領(通称アムロ)が率いる現政権下で、メキシコはナショナリズムとポピュリズムが財政赤字を拡大させ、麻薬犯罪組織対策の失 ...
3月19日朝、ウクライナと国境を接するルーマニア北部シゲトゥ・マルマツィエイは冷たい風が吹いていた。国境を分かつ幅数十メートルのティサ川の流れは速く、川面はところどころ波打っている。この日の最低気温はマイナス1度。手を触れると、雪解け水で濁った川は氷 ...
米国の対ウクライナ軍事支援がようやく再開される見通しだが、ロシアは欧米の兵器提供が本格化する前を狙った「5月攻勢」を行う可能性があり、追加援助は「少なすぎて、遅すぎる」との見方が大勢を占める。一方、ロシアでも腹心の国防次官が逮捕されたショイグ国防相の ...
戦闘の地理的範囲にかかわらず、ガザ危機はすでに国際社会の全体構造を揺るがせている。「対テロ戦争」瓦解が暴露した欧米諸国の影響力低下は、ガザ危機において「占領者によるジェノサイド」論と結び付きつつ、欧米諸国に対するシニカルな見方を急速に広げている。日本 ...
かつてのソ連に君臨した6人の悪党たちの足跡から、ロシアという特異な共同体の正体を浮き彫りにする好評連載第4回。建国の父レーニンの跡を継いだスターリンのもとで「ソ連帝国」は大きく変貌を遂げていくのと時を同じくし、世界は恐慌、そして戦争の時代へと突入して ...
(C)Sikov/stock.adobe.com 今週もお疲れ様でした。篠田英朗・東京外国語大学大学院教授は、昨日公開の論考『ガザ危機はどこに向かうか――非欧米に深く浸透する「占領者によるジェノサイド」論』の中で、欧米… ...